「新しい日常」へ

COVID-19パンデミックの影響で在宅生活が始まってから10ヶ月以上経ちました。最初は戸惑いがあったものの、最近ではこの生活が「日常」となりつつあるように思います。

ルーシッド・ボディではチャクラの概念をキャラクター分析や人間の行動理解に使いますが、チャクラは第一チャクラから順に発達していくと言われています。自分自身のステイホーム生活への適応もこの順序で起きたような気がします。

最初に第一チャクラ、生存本能と向き合う期間がありました。自分や家族・友人が感染し命を落とすことへの恐怖、今までの生活の基盤が大きく揺らいだことに対する戸惑い、物流が滞り食料や生活必需品の入手が難しくなるのではないかという不安。マスクやトイレットペーパーの買い占めが起きたのもこの頃かと思います。NY市では必要とする人のために市内各所で食料の無料提供が始まりました。いくらお金があっても物流が途絶えて店舗から商品が消えてしまえば、私達の日常は大きく揺らぐことになります。毎日何を食べるか自分で選べるという「当たり前の」幸せに気づいたことを覚えています。

どうやら生命に差し迫った危機はない、と第一チャクラが納得した頃には人とのつながりを求める第二チャクラの揺らぎがありました。対面でのクラスがキャンセルとなり、同居する家族以外とは会わない生活が続くと「人恋しさ」に悩まされるようになりました。Zoom飲み会という言葉を聞くようになったのもこの頃かと思います。

次に第三チャクラの承認欲求が叫び始めました。自分は何のために生きているのか、何をしてきた人間なのか。そういったアイデンティティの揺らぎもここにつながっています。第三チャクラは決断・行動のチャクラとも言われています。この状況下でもできることはないのか。仕事がしたい、必要とされたい、舞台に立ちたい。「オンラインでの活動に切り替えた人もいるのに私はまだ何もしていない」― 他人との比較やジャッジメントが顔を出し始めたのもこの頃です。

ここから先、どのような紆余曲折を経て「新しい生活様式」への適応が進んで行くのか。まだまだ不透明なことが多い状況ですが、無駄なことなど何もない、全てが演技の糧となるのだと自分に言い聞かせ、「Be in the moment(今のこの瞬間を生きる)」という演技の鉄則を実生活にも応用して生きていきたいと思います。

ワークショップ等の予定がないためしばらくWebsiteやFBを更新せずにいましたが、今後はルーシッド・ボディについて、演技について、日々の生活の中で感じたことを折に触れて綴っていこうと思っています。よろしくお願いします。